古源盛一
北海道斜里町の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故を受け、海上保安庁が1日付で釧路航空基地(北海道釧路市)に配置した機動救難士9人が10日、本格的に始動した。事故が起きた海域は当時、機動救難士が1時間以内で到着できる「1時間出動圏」の外にあり、救助活動の遅れが指摘された。今回の配置で北海道東部全域がカバーされ、圏外は道北の一部となる。
第1管区海上保安本部によると、国内主要基地への機動救難士の配置は10カ所目で、8年ぶり。
この日、同基地の中村至宏(ゆきひろ)基地長が9人に、班長など担当の「指名書」を渡した。当面は同基地配備のヘリ2機で運用し、24時間体制で海難救助や捜索活動にあたる。今秋にも3機目が配備される方針という。
全体を指揮する上席機動救難士には神谷高仁(たかひと)さん(41)が指名された。3月まで釧路海上保安部の巡視船えりもの潜水士。カズワンの事故当日は、釧路市中心部から車で同基地に移動し、ヘリで現場へ向かったという。
神谷さんは「悔しい思いがいまだに残る。北海道東方の海域は海水温が非常に低い。より一層迅速に人命救助に当たれるよう訓練し、出動に備えたい」と抱負を述べた。(古源盛一)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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