聞き手・山本悠理
いま「ジェネレーション・レフト」が脚光を浴びつつある。暴走する資本主義の変革や深刻化する気候危機への対応を求めて、左派的な主張に共感し、社会運動を繰り広げる若い世代を指したものだ。日本でも、8月に関連本が相次いで刊行された。
2016年、20年の米大統領選予備選では、自らを「民主社会主義者」とかたる民主党のバーニー・サンダース上院議員が、若い世代の支持を得て旋風を巻き起こした。「ジェネレーション・レフト」が政治に及ぼす影響を印象づけた一方、日本では熱の高まりが感じられない。政治意識の向上を目指すNPO法人「Mielka」代表理事の徐東輝(そぉ・とんふぃ)さん(30)は、日本の政治に対する若者の思いをどうみるか。
――Mielkaの主な活動内容を教えてください。
各地の学校で行う主権者教育とユーチューブなどを通じた若者への発信、さらに有権者が投票先を判断するために役立つ政策や候補者の情報を提供するサービス「JAPAN CHOICE(JC)」を運営しています。
主権者教育では、これまでにのべ約1万5千人の学生さんへ授業を行いました。JCを始めたのは2017年の衆院選の時で、その後19年の参院選でアップデートを行い、今回の衆院選に向けて再度改良を進めているところです。また、現職の議員たちがそれぞれどういう政策を支持し、どういう主義主張を持つのかを可視化する「議員ペディア」というサービスも近く開始する予定です。
――議員たちや政策の「マップ」を作ることに注力しようとしている。
僕は将棋が好きなのですが、藤井聡太さんの報道で多いのは「何を食べたか」で、この一手がどれだけすごいのかといったことは報じられない。それでは将棋そのものへの関心は広まりません。政治も同じではないでしょうか。菅義偉・前首相の「パンケーキ報道」のように、ワイドショー的な情報ばかりになってはいけない。ファクトに基づき、政治への関心を高めていけるようにしたいと思っています。
今の30歳未満の若い人々は…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル