沖縄県の宮古島周辺で陸上自衛隊のヘリが消息を絶った事故で、機体とみられるものや隊員とみられる人の姿が海中で見つかった。海上自衛隊が14日、潜水による捜索を始めたが、機材不良で中止に。捜索を続けてきた地元の漁協や陸上自衛隊関係者らは、一刻も早い進展を願った。
「なんとか全員捜してやりたい」。伊良部漁協からの要請で10日から連日捜索してきた地元の漁師、川満友博さん(40)は語る。14日も昼前に地元の佐良浜漁港から船長を務める漁船で出発した。
船は30分で、自衛隊の捜索現場から800メートルほど離れた海域に到着。海上自衛隊の艦艇3隻の上空にはヘリコプターが飛び、艦艇から海に下ろされたゴムボートや水中無人機が機体や不明の隊員を捜していた。
この日の波は穏やかだったが、15日の予報は雨天。川満さんは「今日、どこまで作業が進むかが重要だ」と言った。捜索現場の水深は約100メートルだが、川満さんによると、そこからすぐに200~300メートルになるという。「これ以上深くなると、救出はかなり困難になるのではないか。100メートルのところで見つかってよかった」と語った。
伊良部漁協の伊良波宏紀組合長は発見の知らせに「少しはほっとしたけど、機内にいた10人が見つかるまでは安心できない」と言う。地元で深刻な事故が起きたことについては、「自衛隊には二度とこのような事故がないようにしてほしい」と注文した。
陸自隊員「帰り待つ人がたくさん、一刻も早く」
陸上では、陸上自衛隊が複数の地点から望遠レンズやドローンなどを使って、捜索海域の周辺を確認していた。強い日差しの中、活動を続けていた男性隊員は「彼らの帰りを待っている人がたくさんいる。一刻も早く見つけたい」と話した。
ヘリに搭乗していた坂本雄一師団長率いる陸自第8師団は、熊本市に司令部がある。熊本県自衛隊家族会事務局長の光永邦保さん(68)は「手がかりのない1週間は長かった。やっとですね。大きな一歩だと思います」。光永さんは陸自OB。今回の事故機と同じように、師団長らとともに「航空偵察」をしたことがある。そうした経験と重なり、余計に胸が苦しくなるという。「事故の原因解明、隊員のみなさんの救出をただただ祈っています」(笹山大志、国吉美香、小野太郎)
機体のバランス、慎重に検討し引き上げ
今後、機体の引き揚げはどう…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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