海水浴でよく使われる、動物型などのフロート。
写真映えもして、一見、泳げない子どもでも海を楽しめそうなフロートですが、風による影響を受けやすい遊具です。
2018年にも、フロートに乗っていた子どもが、強風で沖に流される事故が複数件発生しており、消費者庁や海上保安庁は注意を呼びかけています。【冨田すみれ子 / BuzzFeed News】
風向きが変わると速いスピードで流される
消費者庁の報告書によると、フロートに乗った子どもの事故が、2018年7、8月に計7件起きており、その多くがフロートが風で沖に流され、戻れなくなったケース。
流された子どもは4~8歳で、フロートは全て動物型でした。海水浴では、鳥やユニコーン、イルカ、シャチ型のフロートがよく使われます。
頻発するフロートの事故を受けて、消費者庁や国民生活センターは今年5、6月に、フロートを海で使用した場合における風の影響を調べるテストを行いました。国民生活センターがTwitterに掲載したビデオでは、簡単に風に流されてしまうフロートが映っています。
海水浴場でのテストでは、風向きが変わると速いスピードでフロートが沖に流され、救助者も追いつけない様子が映っています。
テスト用プールでは、3、4歳相当の身長約100cm、体重約15kgのダミー人形を乗せたフロートでテストが行われ、サーフ型、海洋生物型フロート、鳥型フロートでは、鳥型が最も風の影響を受けやすいという結果がでました。
漂流テストは風速3・6・10メートル/秒の3パターンで測定され、風速6メートルでテストされた鳥型フロートは、たった5秒でプールの端まで流されました。
テスト用プールや海水浴場での検証では、風がない状態では水面に浮かんでいるだけのフロートも、少し強い風が吹くと、簡単に流されてしまうことを表しています。
フロートでの事故を防止するための注意点6つ
消費者庁や海上保安庁は、過去の事故発生事例やテスト結果などを踏まえて、フロートでの事故を防止するために、6つの注意点を挙げています。
1:フロートの対象年齢を確認しましょう
フロートには使用の対象年齢が決められています。3歳以上など子どもも使用可なものもあれば、大人用では対象が14歳以上になっているものもあり、注意が必要です。
消費者庁の報告書では「フロートのサイズが子どもに対して大きすぎると、乗ったときに水面に脚が付かないため、水を漕ぐことができず、自力で岸に戻ることが難しくなります」と注意を呼びかけています。
2:保護者はフロートに乗った子どもから目を話さない。手を離さないように
昨年の事故発生例では、父親ら保護者が側にいたが、フロートから手を離して遊泳している間に沖に流されたケースが3件、姉が一緒にいたが、深水が深くなって足がつかなくなった姉が手を離した際にフロートが流された、などの事例がありました。
子どもがフロートに乗る際は、保護者が手を離さないよう呼びかけています。
3:ライフジャケットを正しく着用させましょう
消費者庁は、フロートの転覆による落水などの事故に備えて、「子どもの体格に合ったライフジャケットを正しく着用させましょう」と喚起しています。
4:遊泳可能な海水浴場で使用しましょう
事故の約半数は、遊泳が許可されていない場所で起きているといいます。
監視員やライフセーバーが常にいる海水浴場など、管理された場所でフロートを使用することが重要です。また、天候が悪い日など、遊泳禁止になって日は、必ずルールを守ることも大切です。
5:風の強い日は使用を控えましょう
海岸で吹く風には、陸から海に向かって吹く「オフショア」と、海から陸に向かって吹く「オンショア」の2つがあります。
海に向かって吹くオフショアが強い日は、フロートが沖に向かって流され、戻れなくなる可能性があるので、十分に気をつける必要があります。
6:立ったり座ったりするときは慎重にさせ、取っ手がある場合は、しっかりつかまるように教えましょう
事故事例では、フロート上で立ち上がった際にバランスを崩して落水したものもありました。フロートの形状に応じた安全な使い方で遊ぶように、保護者が指導することも大切です。
7、8月は海での事故が多発
海上保安庁の事故発生情報の統計によると、平成21~30年の期間に、遊泳中に事故に遭った14歳以下の子どもは累計583人でした。
中でも、月別では海水浴シーズンの7月と8月には事故数が急激に増えています。
夏休み中、海へ遊びに行く家族連れも多いことから、安全に十分に気を配り遊ぶ様にとしています。
また、海で事故や事件が起きた際は、海上保安庁への緊急通報用電話番号の「118番」に通報するよう呼びかけています。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Leave a Comment