大阪市港区の水族館「海遊館」が20日に開館から30周年を迎えた。観光施設にとどまらず、水生生物の研究拠点として成果を残しており、なかでも開館当初から力を入れるのが世界最大の魚、ジンベエザメの飼育と研究だ。太平洋での行動調査に取り組み、海洋ごみの削減も呼びかけている。
「めっちゃでかい!」。大型のエイやサメがゆったりと泳ぐ大水槽。ひときわ大きなジンベエザメが近づくと来館者から歓声が上がった。中には怖がって泣き出す子どもの姿もあった。
海遊館では「太平洋を象徴する生き物」と位置づけるジンベエザメを2頭飼育する。数年ごとに入れ替えており、オスを「海(かい)くん」、メスを「遊(ゆう)ちゃん」と代々呼んできた。現在の海くんは推定4~5歳で体長約4・2メートル、推定体重700キロ。遊ちゃんは推定12~13歳で約6・05メートル、1600キロの大きさで、2頭とも高知県沖で捕獲された。
海遊館は1990年7月20日、大阪市などによる大阪港周辺の再開発の中核施設としてオープン。当時としては世界最大級の5400トンの大水槽が人気を呼び、今年6月末までに7900万人が訪れた。
開館当初から取り組んできたのが、ジンベエザメの生態の解明だ。世界中の暖かい海に生息し、日本沿岸にも初夏から秋にかけて姿を現すが、世界的にも飼育例がほとんどなく、その生態には謎が多かった。
初代のジンベエザメは沖縄の海…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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