10月12日に関東に上陸した台風19号。その洪水被害は、自治体が指定した浸水想定区域に入っていない地域でも起きていた。国や都道府県は基準の見直しなどで対象を広げようとしているが、中小河川ではなかなか進まない。栃木県足利市では、障害者施設などが突然の避難を迫られた。
12日夜、渡良瀬川支流の旗川が流れる足利市東部の富田地区。市の洪水ハザードマップでは浸水想定地域に指定されていないが、複数の住民によると、台風が接近した午後7時すぎ、旗川があふれ、集落に水が押し寄せたという。
川から数十メートルの場所に住む自営業の男性(38)は「ずいぶん以前に川があふれたと聞いたことはあるが、未曽有の大雨でもない限り、もう水害は起こらないと思っていた」。
越水地点から約200メートル離れた川沿いには、重度障害者の入所施設「愛光園」があった。12日夜には20~70代の入所者ら34人と職員の男女2人がいた。
愛光園によると、施設に水が押し寄せたのは午後9時ごろ。当時、入所者は1階と2階に半分ずついた。1階にいたのは車いすなど特に身体障害の重い人たちだったという。
慌てて職員2人が1階にいた十…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル