参院選(21日投開票)で、北九州市門司区の投票所を担当する選挙事務従事者の市職員7人に支払われる報酬24万1600円が紛失した。盗難の可能性が高いことから、北九州市は門司署に被害届を提出した。公金の紛失というずさんな管理態勢に、市民から批判の声が上がっている。
「7人分の報酬を入れ忘れてないか」。投開票日前日の20日午前11時ごろ、西門司小の投票所責任者(市職員)から、門司区選挙管理委員会に連絡があり、問題が発覚した。案内など投票の手伝いをする民間人9人、立会人4人、市職員7人の報酬計約40万円のうち、市職員分だけがなくなっていた。
報酬は20日午前9時ごろ、投票所責任者が投票用紙などと一緒に門司区役所で受け取り、自家用車で運搬。門司区選管によると、報酬を手渡す際に中身が人数分あるかは確認しなかったという。西門司小の投票所に到着後、別の市職員が7人の報酬がないことに気付いた。
北九州市選管によると、投票所の選挙事務従事者への報酬は、7区全てで手渡しする方式をとっている。総額約6800万円に上り、内訳は市職員約4400万円、民間人約1900万円、立会人約500万円となっている。
一方、福岡市選管は市職員の報酬について、勤務時間外手当として翌月の給料に振り込む方式を採用している。
北九州市関係者の一人は「紛失などあってはならない。前代未聞の不祥事だ」とした上で「銀行振り込みであれば、防げたのではないか」と悔やむ。門司区の会社経営男性(30)は「不信感が募る。税金で成り立つ公金を扱っているという意識が足りないのではないか」と憤る。
北九州市選管は問題を重く受け止め、報酬の支払い方法について改善を検討する考えだ。
西日本新聞社
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