麦わらを束ねた大きなたいまつに火をともし、かねや太鼓を鳴らしながらあぜ道を練り歩き、豊作を祈願する民俗行事「虫追い」。かつて全国各地の農村で行われていたが、今ではほとんど無くなった。その記録を後世に残そうと、埼玉県越谷市の郷土史家・加藤幸一さん(73)が市内で聞き取り調査をしており、「多くの人から話を聞きたい」と情報も募集している。
県文化資源課によると、虫追いは、主に夏の夕暮れに、たいまつの火で農作物につく害虫を追い払いながら田んぼ周辺を練り歩き、地元の神社などでその年の豊作を願う習わしだ。
昭和初期までは全国の農村の風物詩だったが、農薬の普及や都市化などで1960年ごろまでに、埼玉を含めほとんどの地域で行われなくなったという。
加藤さんが調査を始めたのは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル