消毒用エタノールの代替品として手指消毒にも使えるアルコールが21日、山梨県大月市の「笹一酒造」から発売された。
度数77%の高濃度のスピリッツ「笹一アルコール77」で、医療機関などに優先的に出荷される分とあわせ、一般向け販売も始まった。数量限定ながら、同市内の直売店で購入できる。
深刻な消毒用アルコール不足のなか、売り出し前に集まった人たちは屋外で間隔を空けて並んでいた。
笹一酒造は360年近い歴史を持つ老舗。度数の高い酒などが消毒用に代替できるとの見解を厚生労働省が示したことを受け、製造を決めた。従業員総出で準備し、発案から約10日間で発売にこぎつけた。5代目蔵元の天野怜社長(41)は「アルコールを取り扱う酒造メーカーとして、医療機関や社会に貢献したい」と話し、利益の一部を地方自治体に寄付する予定だという。
一方、度数60%以上は消防法で定める危険物に該当するため、東京消防庁は取り扱い上の注意を呼びかけている。担当者は「喫煙する際や火の気のある台所では使用を控え、風通しが良いか換気のできる場所で使って欲しい」と話す。(瀬戸口翼)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル