新型コロナウイルス禍で、急病人などの搬送を担当する消防職員の9割が、自分や家族が感染する不安を感じている――。こんなアンケート結果を8日、名城大学(名古屋市)や筑波大学の研究チームが発表した。感染リスクの最前線にいるにもかかわらず、医療従事者に比べて社会的関心が寄せられていないとして、チームは「少しでも負担を軽減する対策が必要だ」と指摘する。
アンケートは、1月以降の救急出動が月に1回以上の全国の消防職員を対象に8月5~28日にオンラインで実施し、2204人から有効回答を得た。回答者の性別は男性が98%、女性が2%。年齢は20代が31%、30代が38%、40代が24%、50代が5%などだった。
救急活動中の体験(複数回答可)について、84%が「ゴーグルやフェースシールドが曇るなど、感染防護装備のために活動がしにくかった」と回答。さらに「傷病者に発熱があるだけで、感染リスクや消毒などを考えなくてはならなかった」(68%)、「感染を判断する基準から外れていても、感染しているのではないかと思った」(51%)という回答が多かった。また半数が「感染防護衣での活動は暑くて、体調管理が難しかった」と答え、酷暑の中で苦労していたことがうかがわれた。ほかにも「感染防護の装備のために、活動開始が遅れた」(37%)という回答もあった。
感染リスクについて、「自分が感染するのではないかという不安を感じた」人が88%、「自分を介して家族を感染させるのではないかと不安を感じた」も89%にのぼった。また、救急活動後に約6割が「自宅待機になったら周囲に迷惑がかかると思った」という。一方で、心の支えになった体験については、「家族と一緒にいる時間や会話」(49%)、「上司や同僚との会話」(48%)などが多かった。
必要と思う対策については、「…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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