淡路島の「観音さん」が解体へ 国が8億円超の税金かけ

 バブル期直前、兵庫・淡路島に建てられた「世界平和大観音像」の解体に向けた作業が始まった。高さは約100メートル。展望台を備えた民間の観光施設として注目を浴びたが、この十数年は放置され、倒壊を心配する声が出ていた。国が民法の手続きを経て引き取り、税金を投入して解体する。(徳永猛城)

解体される世界平和大観音像=2020年、兵庫県淡路市、朝日新聞社ヘリから、高橋一徳撮影

 淡路島の北東部、海沿いを走る国道28号を南下すると、巨大な白い観音像が見えてくる。5階建ての台座ビルの上に、大阪湾を見下ろすように立っていた。

 兵庫県淡路市などによると、地元出身の不動産業者の男性が1982年に建てた。像内部のエレベーターで展望台のある首のあたりまで昇ることができた。男性は周囲に「世界の平和と大阪湾を航海する船の無事を祈願して造った」と話していたといい、元パート従業員の女性(73)は「故郷に錦を飾るという気持ちがあったと思う」と振り返る。

 レストランや美術館もあり、地下1階にはクラシックカーが展示されていた。85年には淡路島と徳島をつなぐ大鳴門橋が開通し、四国から観光バスが乗り付けた。休日には1千人ほどの客が訪れたという。

 当時のパンフレットには「豊清山 平和観音寺 世界平和大観音像」とあり、固定資産税などが原則非課税となる宗教法人の設立をめざしたとみられる。実現はしなかったものの、地元では「観音さん」と呼ばれてきた。

 だが、所有者の男性は88年…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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