国土交通省は、高速道路の利用が午前0~4時にかかれば走行した全区間の料金を一律3割引きとする現行制度を見直す方針を固めた。深夜割引の適用をねらって、料金所を出る直前で時間調整するトラックによる渋滞が問題化し、運転手の長時間労働の一因にもなっていた。走行距離に応じて料金を割り引くことで利用を分散させる。2024年度中の開始をめざす。
16日に東名高速の東京料金所(川崎市)を近くの跨道橋(こどうきょう)から見ると、午後11時半にはすでにトラック2台が路肩に停車していた。11時52分に左車線に車列ができ、55分には中央車線も埋まった。56分に追い越し車線の先頭車両が停車し、片側3車線すべてがトラックで埋まった。日付が変わった午前0時、先頭車両から動き出したが、その後も、手前のパーキングエリアで時間調整をしていたとみられるトラックが連なり、渋滞が続いた。
一般道の騒音減らすため始まったが…
国交省によると、深夜割引は04年、夜間の交通を高速道に誘導し、並行する一般道の騒音を減らす目的で始まった。現在、福岡―東京間の料金(中型車)は約2万7千円だが、割引が適用されると9千円近く安くなる。一般道でトラックが減るなど成果が上がる一方、混雑が深刻な東名高速の東京料金所(川崎市)では午前0時前、大規模な渋滞が常態化している。
19年の中型車以上の平均通過台数は、午後11時台の299台に対し、午前0時台は765台と2・6倍に上った。パーキングエリアも時間調整のトラックで満車となって十分な休憩が取れないなど、運転手の労働環境を悪化させているとの指摘が出ていた。
こうした問題を受け、国交省は一律の割引を見直す方針を決めた。高速道路各社が各所に専用アンテナを設置し、車載のETCと通信して適用時間帯の走行距離に応じて割り引く。こうすることで、目的地の料金所の手前で時間調整し、午前0時が過ぎた直後に料金所を出て、走ってきた全区間の割引を受けるといった利用は減るとみられる。
一方、見直しに伴う利用者の…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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