添い寝せがむ1歳、迎え来ぬ3歳 1人親の支え 足立の眠らぬ保育園

 東京都足立区の竹ノ塚駅の近く、フィリピンパブや飲食店が並ぶ繁華街。その一角のビルに、「この木なんの木園」はある。

 午後8時半ごろに訪れると、子どもたち8人が走り回ったり、絵本を読んだりしていた。その脇で布団が敷かれ始める。

 「寝るよー。電気消すよー」

 照明が半分落とされ、9時には完全に消えた。

 24時間子どもを預かる認可外保育園。夜間利用の場合、園児たちは夕方から深夜にかけてやって来る。

 利用する保護者の大半は、夜遅くまで働くシングルマザーだ。

   ◇

 園の夜は長い。

 午後6時半。抱っこひもで赤ちゃんを抱えたコート姿の女性が来た。

 女性は20代。都内のキャバクラで働き始めた。専業主婦だったが、夫と離婚。我が子を育てるために、「稼ぎのいい」夜の仕事を選んだ。

「不自由させたくない」

 昼間の仕事の経験はない。水商売のシングルマザーは収入が不安定とみられて家を借りるのが難しいと聞き、専門の仲介業者でワンルームマンションを見つけた。家賃は月9万円で、保育料は月7万6千円かかる。最初の月の給料は24万円。「今はぎりぎりだけど、シングルマザーだからといってこの子に不自由はさせたくない」。週5回、未明まで園を利用している。

 午後7時。中国籍の女性(42)が6歳の長女を迎えに来た。

 秋葉原の家電量販店で携帯電…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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