薬物依存をはじめ、年間400人以上の悩める相談者と向き合うお坊さんが神奈川県藤沢市にいる。示現寺の住職鈴木泰堂さん(44)だ。相談者の1人、元プロ野球選手の清原和博さん(52)との対談本「魂問答」を昨年末に出版した。私たちの心の何が苦悩を生むのか。少しでも楽になるには、どういう気持ちでいるべきなのか。ヒントをもらうべく、足を運んだ。(高野真吾)
薬物、初回は「事故に遭うようなもの」
――今年に入っても、芸能人が薬物で逮捕されるニュースが続く
薬物は何かきっかけがないとやめられない。がっちりクスリをやっている人が10人いたら、10人共にやめたがっている。子どもに泣きつかれたなど、自分を奮起させるできごとがあれば契機となる。逮捕もその一つだ。
――逮捕で失うものは多い
違法行為を働いたので当然、ある程度の社会的制裁は受けるものだ。世間の冷たい目を含めて。
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しかし、ネットの反応は過激過ぎる。復帰の芽をみんなで摘もうとしているかのようにみえる。「絶対またやるよ」と明言する「予言者」、「一発アウト」と断罪する「裁判官」。自らの正義感を信じ、他の人を傷つけることに罪悪感を持っていない。
――薬物は悪い行いでは
- 示現寺の歴史、鈴木泰堂さんの歩み
- 示現寺の本堂は450年以上の歴史を誇る。お経をあげるなど毎日のお勤めを果たしながら、鈴木さんは対面や電話で相談者の悩みを聞き続けている。
その通りだが、薬物使用の初回…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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