減りゆく公立高の男女別学校 7割が埼玉・群馬・栃木に集中のなぞ

 男女別学の公立高校が、少子化や男女共同参画社会の推進などを背景に、全国各地で減りつつある。朝日新聞が9月に各地の教育委員会に取材したところ、今も残っているのは9県の44校。このうち7割超が埼玉、群馬、栃木の各県に集中していた。なぜなのか。

 「公立学校における公共性を鑑みれば、性別に基づき異なった取り扱いをなすのは大問題」

 埼玉県の第三者機関は8月、県立の別学校を共学化するよう県教委に勧告した。県内には、公立の男女別学高校が12校(全て県立)ある。2002年にも共学化を求める勧告が出たが、関係者らが強く反発。県教委は、県民の強い支持があるとして「当面維持」と結論を出していた。

 一方、この約20年間で、全国各地では共学化の動きが進んできた。

 福島県は03年度までに県立高をすべて共学化した。

 1993年時点では別学校は約20校あったが、県の有識者会議が「男女共同社会が進行するなか、本県でも共学化を逐次進めていく必要がある」と答申した。

 宮城県は、県立の別学校を10年度までにすべて共学化した。

 2001年時点で22校あった。同年、「多感な高校時代には男女が共に学び理解し合う環境が望ましい」「県立高校で性差による入学制限を設けることは好ましくない」などとして共学化を決めた。

 在校生や卒業生などから反対論が上がり、05年に別学を残す方針を掲げた村井嘉浩氏(現知事)が知事選で初当選したが、県議会が共学化を推進する姿勢を示し、方針を変えた。

残るは44校、少子化などを受け共学化の動きも

 今も別学の公立高校が残っているのは埼玉のほか、群馬(12校)、栃木(8校)、宮城(1校)、千葉(2校)、和歌山(1校)、島根(1校)、福岡(2校)、鹿児島(5校)の各県だった。

 ただ、この中にはもうすぐゼロになる県もある。

 和歌山県では、唯一残ってい…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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