パッションフルーツ、アテモヤ、ドラゴンフルーツ……。三重県の伊勢志摩地方で耳慣れない果物の栽培が盛んになっている。温暖化でつくりやすくなった南国のフルーツ。希少価値の高さから早々に売り切れるケースも出ているという。
1個200円、1袋千円。熊野灘に面した南伊勢町五ケ所浦にある「土実樹(つみき)」の直売所では今、赤紫色をしたパッションフルーツの実が山盛りで並んでいる。
栽培を始めたのは5年前。猛暑でも実は影響を受けず、酸っぱさと甘みを備えた味が評判となり、販路はじょじょに広がった。最初は露地栽培だけだったが、病害虫対策のためハウスも使うようにした。今年は栽培面積が過去最大の38アールに。9月下旬までの出荷量を2・3トンと見込む。ジャムやゼリーといった加工品の販売にも力を入れる。
♡「気候、合っている」
土実樹は、溝口力(りき)さん(38)が父親と経営している農事組合法人だ。代々7ヘクタールでミカンの栽培をしているが、地球温暖化が進むなか、亜熱帯の果樹パッションフルーツに目をつけた。収穫時期がミカンの出荷時期と重ならないのも魅力だった。「冬でもそれほど冷え込まない気候に合っており、管理はしやすい果樹だと思う」と力さん。
力さんはパッションフルーツ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル