川の始まりは山奥に行かないと見られない? いえいえ、実は、市街地の国道のすぐ脇から、突然始まる川があるんです。
柿田川は全国的にも珍しい、湧水(ゆうすい)を源とする川だ。柿田川公園(静岡県清水町)で、その始まりが見られる。
約8500年前の富士山の噴火で流れ出た溶岩により、富士山の地下には、水を通しやすい地層がある。そのため、富士山に降る雨や雪は、川となって流れるのではなく、山に染みこんで地下水となる。その水は、溶岩がつきたところで、湧き水となって地上に出てくる。国土交通省の分析によると、その間およそ26~28年という。
富士山の周辺には、水が湧き出る場所がいくつかあるが、柿田川は、日本最大の湧水量を誇る。ボランティアガイドの鈴木完(たもつ)さん(78)が70段の階段を下ったところにある第二展望台を案内してくれた。
かつて紡績工場が井戸として使っていたという、直径4・5メートル、深さ3・5メートル以上の巨大なブルーホールが目をひく。神秘的な青さに思わず息をのんだ。「ほら、あそこ。砂がぽこぽこしているでしょう」と鈴木さん。目をこらすと、透き通った水の底に、黒い砂が吹き上がる場所が見えた。これが、地下水が湧き出す「湧き間」だ。園内には、噴水のような大きなものから、じんわりと染み出す小さなものまで、数え切れないほどの湧き間がある。全体の湧水量は、1日100万~110万トンにもなるという。
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ただ、湧水量は一時期より減…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル