満天の星が照らす町 空白の11年 戸惑いと落胆、でもつながりたい

 東京電力福島第一原発事故で全町民の避難が続く福島県双葉町で30日、帰還困難区域の一部にある「特定復興再生拠点区域」の避難指示が解除された。事故から11年半ぶりに住民が帰還できるようになる。ただ、6月に一部が解除された葛尾村や大熊町の同区域では、住民の帰還は進んでいない。

 双葉町には第一原発が立地。町面積の96%が、放射線量が避難基準の2・5倍の帰還困難区域に指定された。今回、避難解除されるのは町面積の約1割。避難指示の解除に向け1月に始まった「準備宿泊」には、29世帯50人が参加しただけだった。

 事故直後、町は住民の被曝(ひばく)を避けるため、避難自治体で唯一、県外の埼玉県加須市に約2年間、役場機能を移転。国が避難指示を出した11市町村の中で除染などが最も遅れたほか、県内の除染で生じた汚染土を保管する「中間貯蔵施設」の受け入れを迫られた。(編集委員・大月規義福地慶太郎、笠井哲也)

福島・双葉 11年半ぶり住民帰還が可能に

 東京電力福島第一原発の事故で11年半、誰も故郷に戻れなかった福島県双葉町。原発が立地し、町の大半は放射線量が高い帰還困難区域だったが、その一部で30日に避難指示が解除された。ただ、かつての姿とはほど遠い状況で、帰還はなかなか進みそうにない。一方で、町とのつながりを求め続ける住民たちもいる。

■何もかも変わったふるさと …

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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