準備遅れる大阪・関西万博 東京五輪の「負の遺産」との既視感

記者コラム 「多事奏論」 編集委員・稲垣康介

 2025年春に開幕する予定の大阪・関西万博を取り巻く窮状をニュースで耳にするたび、既視感を覚える。東京五輪パラリンピックの「負の教訓」と重なるのだ。

 万博は1250億円想定だった会場建設費が1・5倍に増え、さらに膨らみそうだ。五輪同様、多くの公金が投入される。

 招致段階では世論の批判をかわすために少なめに試算し、ふたを開けたら膨れあがるのは五輪ではお決まりのパターンだ。万博の試算も甘かったと言わざるを得ない。

 東京五輪は国立競技場を建て替える費用の高騰が世論の批判を浴び、当時の安倍晋三首相は「白紙撤回」を迫られた。デザインのやり直しコンペでは、工期短縮の実現可能性を高く評価された案が採用された。

 開幕まで2年を切った万博は…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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