滋賀の書道作品、なぜ個性全開 「手本まねるだけでは」70年の歴史

 弾ける個性、生き生きとした筆づかい。滋賀の子どもたちの書の作品は、半紙から、はみ出しそうな勢いだ。その理由を探ってみると、約70年におよぶ歴史があった。独特の書教育に込められた思いとは。(才本淳子)

 書道の授業は、手本をおいて同じ文字を一斉に書き、手本のような字ほど評価される――。そんな印象だろう。だが、滋賀県では違う。

 高島市のマキノ南小学校図工室。昨年、書き初めの練習をする小学4年生の授業をのぞいた。

 子どもたちの前に手本はない。先生が朱色で直すこともない。文字は、「笑」「龍」「福」などの候補から、自分が好きなものを選ぶ。

 担任の上田慎也教諭(35)は、児童と一緒に、筆の下ろし方や脇をしめずにひじを張って書くなど身体の動かし方を説明。そして、黒板に今日のテーマ「黒VS白」と書いた。

 「黒(墨)が白(半紙)に勝…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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