滋賀の殺人・遺体切断遺棄 長女に懲役15年 大津地裁(産経新聞)

 平成30年に滋賀県守山市の無職、桐生しのぶさん=当時(58)=を殺害し、切断した遺体を同市の河川敷に捨てたとして、殺人などの罪に問われた長女の元看護師、桐生のぞみ被告(33)の判決公判が3日、大津地裁で開かれ、大西直樹裁判長は「被害者の尊厳を著しく棄損(きそん)した残忍な犯行」として懲役15年(求刑懲役20年)を言い渡した。

 公判では殺人罪の成立と精神障害が犯行に及ぼした責任能力が争点だった。

 弁護側は「しのぶさんは自らの首を切りつけて自殺した」と主張。精神障害の影響で犯行当時は心神喪失か心神耗弱の状態にあったとして無罪か、執行猶予付きの判決を求めていた。

 大西裁判長は判決理由で、遺体に失血死の痕跡がないとする解剖医の証言などから「首を切って自殺したとする被告の供述は客観的死因と矛盾する」と指摘。しのぶさんがのぞみ被告を助産師にするため、束縛や干渉を強めていったことを挙げ、「看護師になりたい希望をかなえるために(しのぶさんは)邪魔な存在だった」と動機を推認し、殺人罪の成立を認めた。

 精神障害の影響については「日常生活を送りながら、しのぶさんの死亡を徹底的に隠蔽(いんぺい)するなど善悪の判断ができないほど著しいものではない」などとして完全責任能力があったと判断。その上で「母親におびえ、自由のない抑圧された生活で追い詰められ、同情の余地はある」と述べた。

 判決によると、のぞみ被告は30年1月20日ごろ、守山市の当時の自宅で、何らかの方法でしのぶさんを殺害。同年3月10日までの間に、遺体を切断し、胴体を河川敷に遺棄した。

【関連記事】


Source : 国内 – Yahoo!ニュース

Japonologie:
Leave a Comment