今年に入り、滋賀県内で性的サービスを行う違法マッサージ店の摘発が相次いでいる。ほとんどが中国人の経営する店舗で、滋賀県警は9月末までに年間では過去最多の7店を摘発し、経営者の中国人ら計11人を逮捕したが、すぐに新たな店舗がオープンする「いたちごっこ」が続いている。以前摘発した店舗が不起訴処分となったケースも影響してか、県警は「滋賀が“穴場”だと思われている可能性が高い」(捜査関係者)とみて警戒している。(清水更沙)
■月400万の稼ぎも
県警は9月11日、風営法違反(禁止地域営業)の疑いで、同県草津市野村の個室マッサージ店「リラクゼーション月」の経営者で中国籍の王玉娟(ワンユージュエン)(51)=同県栗東市=と、従業員で中国籍の王敏(ワンミン)(41)=広島市中区=の両容疑者を逮捕。王敏容疑者はその後同罪で起訴された。
住宅街の一角のマンション内にある同店は、看板に「整体」「足つぼマッサージ」といった通常のマッサージコースが示され、料金も一般的なマッサージ店と変わらない30分2800円と書かれていた。しかし県警によると、実際はもっと高額な料金で性的なサービスを行っていたという。近くの住民は「夜の2時ごろまで営業していた。窓がなく、外から中の様子は分からないが、普通のマッサージ店ではないと思っていた」と話す。
2人は日本人男性と結婚して永住権を取得。玉娟容疑者は少なくとも2年前から店を構えていたとみられる。
これまでに摘発された店舗はいずれも中国人の女の経営者と数人の従業員で営業。利用客は後を絶たず、月300万~400万円の売り上げがあり、1人で月100万円近く稼ぐ従業員もいたという。
逮捕者は先の2人と同様、ほぼ全員が日本人配偶者の立場を得て永住権を取得していた。最も多いのが40代で、県警生活環境課の担当者は「日本語もたどたどしく、40代となれば仕事に就くのも難しい。気軽に大金を稼げることができるこの方法に味をしめたのだろう」とみる。
■ネットで情報交換
滋賀県の風俗営業規制に関する条例では、性的サービスを行う店舗の新規出店は禁止されている。
県警は4月までに違法マッサージの疑いのある26店舗をリストアップ。このうち7店舗を摘発し、廃業に追い込んだが、9月末時点で新たに5店舗の存在を把握している。同課の担当者は「背景には中国人同士の連携がある。インターネットの掲示板などで情報を交換し、どの街で店舗を構えるかや警察の動きなどを報告し合っているようだ。他府県で取り締まりが強化され、居場所がなくなった者が滋賀へ流れてきているのではないか」とみる。
■「不起訴」の影響か
滋賀では、店側が「リンパマッサージ」として営業していると主張し、不起訴処分となった例もある。県警の捜査関係者は「こうしたことも影響し、滋賀が(違法営業が行いやすい)『穴場』だと思われ、出店が増えている可能性が高い」と明かす。
また摘発されても、日本の条例や法律では厳罰とならず、せいぜい50万円の罰金を払えば済むことも、いたちごっこの要因となっている。
滋賀県だけでなく、全国で増加傾向にあるとされる中国人による違法風俗店。背景には、日本人男性との結婚を実質的に仲介するような、本国と日本を結ぶ中国人のコミュニティーの存在が指摘される。貧しい地域が残る中国からコミュニティーを頼りに家族とともに移住してきた者が、こうした違法風俗に手を出すケースが後を絶たないといわれる。
日本人配偶者の立場を得ると、最短で3年で永住権を取得できるうえ、めったなことでは国外退去を迫られない。県内で逮捕された中国籍の女の多くが夫と別居状態で、なかには偽装結婚が疑われるケースもあった。同様の違法風俗店は今後も増えるとみられ、県警は警戒を強めるとともにそうした背景についても調べている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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