長沢幹城
福岡、佐賀、熊本3県沖の有明海で21日、一斉にノリの種付け作業が解禁された。このうち佐賀県沖では、ノリ網を沖合まで運ぶ親船と、ノリ網を張るために漁師たちが乗る小舟の1500隻以上が作業にあたった。
県有明海漁協によると、種付け作業では、有明海に1枚あたり縦18メートル、横1・5メートルのノリ網を約60万枚広げるという。
ロール状にされて親船で運ばれたノリ網は、漁師それぞれに割り当てられた海域で小舟に移され、漁師たちによって手際よく張られていった。
今回張られたノリ網のうち、半数は11月中旬までに一度引きあげて冷凍し、12月末ごろに海にもどされ、3月末までの間に摘まれるという。
佐賀市では10月中旬まで最高気温が30度を超える日が続き、ノリの種付け作業に適した海水温に下がるかどうか、関係者の間で不安もあった。ここ数日の冷え込みで海水温が21・4度まで下がり、種付け作業が出来るようになったという。
同漁協の西久保敏組合長は「10月は今までにないような暑さだったが、なんとか適水温に下がった。おいしいノリが取れると思う。自信を持って消費者のみなさんに出せるノリを、がんばって取っていきたい」と話した。(長沢幹城)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル