新型コロナウイルス流行によるマスクの大幅な消費量の増加が、海洋プラスチックごみ問題に拍車をかけている。マスクの多くは実はプラスチック製だ。海に流れ出たマスクは1年間に15億枚との環境団体の試算があり、野生生物の命を脅かす例も報告されている。
5月末、記者が大阪府の関西空港近くの海岸を訪ねた。沖方向に向かって突き出た突堤のブロックの隙間をのぞくと、ペットボトルやポリ袋のごみに交じって白い不織布のマスクが流れ着いていた。波にさらされ続けたのか、ぼろぼろになっているものもある。
海岸には、捨てられて間もないであろう真新しいマスクも落ちていた。不織布だけでなくウレタン素材のものもあった。海岸の一部を30分ほど歩いただけで、6枚のマスクを見つけた。
「かながわ海岸美化財団」によると、新型コロナの流行以降、海岸に流れ着くマスクは増えているという。財団は神奈川県内の海岸約150キロを30年にわたって清掃活動している。職員は「これまで冬にちらほら見られるものだったが、コロナ以降は夏でも年中見かけるようになった」と話す。
分解まで450年
不織布マスクやウレタンマス…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル