航空自衛隊岐阜基地(岐阜県各務原市)の施設工事をめぐる官製談合事件で、逮捕された防衛省近畿中部防衛局の元建築課長、稲垣正義容疑者(60)=沖縄県浦添市=が、入札情報を漏らした同省OBの建設会社側に定年退職後に再就職する予定だったことが、捜査関係者への取材で分かった。愛知県警は、稲垣容疑者が自身の再就職も入札情報を漏洩(ろうえい)した動機の一つだったとみて調べる。
官製談合防止法違反などの疑いで10日に逮捕されたのは、稲垣容疑者と同省OBで「アイサワ工業」(岡山市北区)の社員、村上泉容疑者(65)=東京都世田谷区。
防衛省などによると、村上容疑者は同省の東海支局建築課長だった2018年に退職。翌19年4月からアイサワ工業で顧問を務めていた。一方、問題となった20年11月の一般競争入札の際、稲垣容疑者は近畿中部防衛局の建築課長に就いていた。入札の対象となった電子戦評価技術の研究施設の新築工事で、予定価格を積算するなど実務を取り仕切っていた。
捜査関係者によると、村上容疑者は再就職から数年したら顧問を退く予定で、後任には今年3月に定年退職した稲垣容疑者が就く計画だった。最初に入札情報を漏らしたとされる20年9月より前にこの取り決めが交わされたとみられ、県警は稲垣容疑者が見返りとして情報を漏らしていた可能性があるとみている。
アイサワ工業は朝日新聞の取材に代理人弁護士を通じて「ノーコメント」とした。
両容疑者が都内の居酒屋で情…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル