秋田でマーチングに打ち込む高校生の青春を描いた漫画「みかづきマーチ」が、双葉社の「漫画アクション」誌で連載中だ。作者の山田はまちさん(秋田県潟上市出身)も高校でマーチングに出会った。コロナ禍で主要大会の中止が相次ぐ中、「漫画の中でだけは大会を開いて、雰囲気を忘れずにいてもらいたい」と語る。
2月に連載開始した漫画は、10月28日に単行本2巻目が発売された。1巻では、東京で勉強漬けの日々を送る高校生の主人公が、毎日に退屈して春休みに家出をし、叔母を頼って訪れた秋田で高校マーチング部の練習を偶然見て衝撃を受け、入部を決意する――といったストーリーが描かれる。
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マーチングは、集団で行進したり交差したりと複雑に陣形を変えながら楽器を演奏する。音だけでなく動きも合わせなければならない。大会での演奏時間から、漫画内では「8分間の総合芸術」と表現される。
作者の山田さんは、秋田県内の中学校で吹奏楽部に所属し、高校でマーチングに出会った。旗を振って演技する「カラーガード」を担当し、全国大会にも出場。「8分間に全力を出し切り、何十人もの人間の音と動きがそろう瞬間が気持ちよかった。体力的にも感情的にも燃え尽きる興奮が感じられる」と魅力を語る。
大会会場の熱気を漫画で伝えるため、工夫を凝らしているという。「演奏を生で聴いたとき、会場がびりびりと震える迫力がある。細かい線を描き足して振動の効果を出しています」。さらに、会場では見えづらい演奏者の表情を強調できるのが漫画の強みだ。「演技の間に仲間と目が合って、スポーツのようにアイコンタクトで分かり合える感覚がある」
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昨年5月に秋田市の県立体育館で開かれた秋田マーチングフェスティバルを取材した。幼稚園から小中高、一般まで20団体が参加した大会で、山田さん自身が会場の雰囲気を懐かしみながら撮った写真が、漫画にも生かされているという。今年のフェスティバルはコロナの影響で中止になった。
山田さんは「この漫画を描くきっかけは、地元のマーチングを応援したい気持ちから。今年は実際の大会は無いけれど、漫画の中だけでは大会を開こうと思った」と話す。作品を通じてマーチングに取り組む人たちにエールを送りたいという。「生徒さんはきっと寂しい気持ちもあると思うが、今できる範囲でやれることを頑張ることには意味がある。ちゃんと自分たちも出来たんだなと思える瞬間が必ず来るので、頑張ってほしいです」(野城千穂)
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県内のマーチング強豪校の一つ、秋田市立秋田商業高の吹奏楽部は今、来年の大会を目標に掲げて練習に打ち込む。楽器を吹くとき以外はマスクを着け、常時換気し、部員26人が一堂に会する合奏は1日30分だけに制限。感染対策を最優先する。
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同校は全国大会への出場経験もあり、昨年10月には全日本マーチングコンテストの東北大会で銀賞を受賞した。それから1年。悔しい経験を重ねてきた。
今年2月、横浜で開かれる全国…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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