人気漫画を無断で掲載していた海賊版サイト「漫画村」をめぐる著作権法違反事件で、福岡県警が逮捕した住居不定、無職安達亙(わたる)容疑者(37)が、すでに起訴された東京都の男女のうち、男に報酬を渡していたとみられることが、関係者への取材でわかった。県警は安達容疑者が指示役だったとみている。
県警によると、安達容疑者は2017年5月29日ごろ、漫画村の運営者とされる星野路実(ろみ)容疑者(27)=フィリピンで拘束中=や男女の計4人で共謀し、漫画「ワンピース866話」を誰でも見られるようにし、集英社の出版権を侵害したとして逮捕された。
関係者によると、4人のうち、女は「安達容疑者が17年3~7月ごろに、男に漫画のアップロード作業の報酬として、月4万~10万円を支払っていた。自分は一切報酬をもらっていない」と説明している。自らは漫画の最新号の発売日に合わせ、海外のサイトを通じて漫画を入手し、アップロードしていた。男は元交際相手で、「男から頼まれて仕方なくやった」と話しているという。
安達容疑者について、県警は国内で指名手配していた。本人とみられる人物から今月上旬に「出頭したい」との連絡があり、8月10日に帰国したところで逮捕した。フィリピンには昨年11月に出国していた。県警は星野容疑者と友人関係にあるとみており、フィリピンで接触したかどうかについても調べる。(島崎周)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル