漱石に絵を教えた画家の市立美術館 存続求めてブドウ畑の地元が動く

 桃やブドウの産地として知られる甲府盆地の東部、山梨県笛吹市に2階建ての個性的な建物がある。美術団体「二科会」創立者の一人で、夏目漱石とも親しく交わった津田青楓(せいふう、1880~1978)の作品を集めた美術館だ。約半世紀前から続くこの館を閉じる構想を市が打ち出し、地元住民らが存続を求める署名運動を始めた。

 「青楓美術館」は、青楓と親交のあった故・小池唯則氏が私財を投じ、1974(昭和49)年に開館した。青楓の洋画や日本画、書など700点以上を収蔵、公開している。開館時は200点ほどだったが、愛好家からの寄贈により、青楓の長年にわたる作品がそろう。

 84年に小池氏の遺族側から建物と敷地、収蔵作品が旧一宮町に寄贈されて町立美術館となり、「平成の大合併」を経て現在は笛吹市の美術館となっている。ブドウ畑に囲まれたおしゃれなたたずまいが印象的だ。

田園地帯に送り込んだ芸術文化の風

 鉄筋コンクリート造り2階建…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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