激化する共産党の維新攻撃 原因は参院選と足立康史氏?(産経新聞)

 共産党が日本維新の会に怒りを募らせている。志位和夫委員長は党の幹部会報告でわざわざ「維新の会とのたたかいについて」と切り出して糾弾。党の機関紙「しんぶん赤旗」も、北方領土を戦争で取り返す是非に言及した丸山穂高衆院議員=維新を除名=の問題をベースに激しい維新批判を展開している。背景には、夏の参院選の激しい選挙争いと「天敵」の足立康史衆院議員の存在がありそうだ。

 「論戦問題の最後に、維新の会とのたたかいについて触れておきたいと思います」

 志位氏は5月12日、東京・代々木の党本部で開かれた第6回中央委員会総会(6中総)で、維新批判の口火を切った。

 志位氏は、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致などの維新の政策をぶった切ると、安倍晋三政権との関連性を勇ましい表現を用いながら、こうこき下ろした。

 「安倍政権の『別動隊』『突撃隊』として動き、安倍政権の悪政を先取りする『先兵』として働く。参院選では安倍政権、自民・公明とともに、その補完勢力、維新の会にも厳しい審判を下そうではありませんか!」

 維新批判は最近の赤旗紙面でも際立っている。6月7日付では「丸山氏糾弾決議を可決 衆院、全会一致『国会議員の資格なし』」「速やかな辞職求める 志位委員長が会見」という2つの大きな記事を掲載した。

 さらに、「維新、政治責任にほおかむり」と題したコラムで「維新は、丸山氏の候補選定過程やその後の監督について検証し、丸山氏に対し辞職を求めるなど政治責任を果たすべきです。人ごとのように糾弾決議に参加して、責任にほおかむりすることは許されません」と断じた。

 6月6日付でも「寄せ集めの『選挙互助会』 維新、首都圏で候補擁立へ」という記事で、「首都圏に基盤のない維新が、離合集散を繰り返す政党の破片のような政治家を寄せ集めた『選挙互助会』の様相です」と皮肉っている。

 これほどの怒りはどこからわいてくるのか。維新幹部は、4月の大阪府知事・大阪市長のダブル選や衆院大阪12区の補欠選挙、さらに6月の大阪府堺市長選を制した維新の勢いに触れ、

「罵詈(ばり)雑言は共産党が維新に脅威を感じている証拠だ。政党支持率で維新に追い抜かれそうになり、焦っているのではないか」と分析した。

 共産党の維新攻撃の背景には、維新の足立氏による「共産党は破防法の調査対象団体」という批判への反発という見方もある。共産党は公式ツイッターで「小池晃書記局長『最も無駄な役所。維新が公務員削減を言うなら公安調査庁の廃止を言うべきだ』 破防法めぐり維新に反論」と、時事通信の記事を引用して反論したが、足立氏の主張はネット上で一定の広がりを見せている。

 勢いに乗る維新は、夏の参院選大阪選挙区(改選数4)で2人の候補を擁立する。前回の平成28年参院選でも2人を当選させており、今回現職の公認候補を擁立する共産党にとっては強力なライバルだ。共産党と維新の“ケンカ”からますます目が離せない。(政治部 内藤慎二)

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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