作家、野坂昭如(あきゆき)さん(1930~2015)の小説「火垂(ほた)るの墓」の舞台になった兵庫県西宮市のゆかりの地に、地元有志らでつくる「火垂るの墓」記念碑建碑実行委員会が碑を設置する。戦後75年の節目を迎える来年6月に完成する予定。実行委は設置に向けた寄付を募っている。
太平洋戦争末期の1945年、14歳だった野坂さんは幼い義妹と、同市満池谷(まんちだに)町の貯水池「ニテコ池」の近くにある親類宅や防空壕(ごう)で過ごした。同市でもたびたび空襲に見舞われた。作品は野坂さんの実体験を基に描かれ、アニメ映画にもなった。
野坂さんの小説のファンで、満池谷町に住む実行委代表の土屋純男さん(76)らが2016年、野坂さんの親類を訪ね歩いたり、近所の人への聞き込みをしたりして調査をした。
その結果、小説に描かれた防空壕や親類宅などの場所が特定できたという。そのため記念碑を建てようと、17年12月に同実行委が発足した。
実行委のメンバーで土屋さんと一緒に調査をした二宮一郎さん(70)は「全国の人にこの場所を知ってもらいたい。ファンの人の聖地となって、訪れる人が増えてほしい」と話した。
記念碑は市の許可を得て、ニテ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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