火葬追いつかず八方塞がりに 広域連携進め、死者の尊厳守る備えを

 2011年、東京でも春の訪れは遅かった。

 4月14日、葛飾区の四ツ木斎場で、宮城県から運ばれた震災の身元不明遺体の火葬が始まった。県職員の武者光明(59)が上京し、3日間立ち会った。

 「石巻○○番」などと場所と数字を付された棺が、ガラガラと炉に入れられ、次々焼かれてゆく。初日は約百体。武者は手を合わせ続けた。「見送るのが俺でいいんだろうか」と自問しながら。

 斎場のサクラがちょうど満開だった。つらい、さびしい葬送に心が折れそうだった武者にとって、それが救いになった。

 県庁で遺体対応を担った部署の課長補佐。発災以来、棺や火葬場の確保に走り回った。職場でも左手首にずっと数珠をしていた。

 八方塞がりになったのは3月下旬。

県外で火葬された犠牲者2559体、骨になって帰郷

 各地の安置所で、遺体の動き…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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