災害時に働く人を守れ! 復旧にあたる職員の支援、震災を機に対策

 災害が起きたとき、復旧のために働く人たちの健康をどう守るのか――。東日本大震災を機に、そんな研究や支援の仕組みづくりが進んでいる。災害発生時は被災者の支援に目が向きがちだが、支援や復旧作業にあたる側のサポートを強化するべきだとの考え方で、将来の災害への備えも進んでいる。(杉山あかり)

 2011年3月。東京電力福島第一原発の事故に対処するため、分厚い防護服を着て働く作業員の姿がさかんに報じられていた。

 産業医科大(北九州市)の医師、立石清一郎さん(47)はテレビでその様子をみながら、同僚たちと「こんなときのために、産業医科大があるのではないか」と語り合った。

 産業医科大は、産業医の養成を目的とする国内唯一の大学だ。産業医は労働者の健康管理を担っており、原発事故を受けて同大は、所属する医師を現地に派遣。立石さんも福島に行き、全国から集まった医師の調整や業務のマニュアルづくりに対応しながら、原発の敷地内で自ら作業員の健康診断や健康意識の聞き取りにもあたった。

 作業員は食欲不振や簡易な食事が続いたためか、体重が減る傾向にあった。「原因企業だから、この状況を改善することの優先順位が何より高い」と話す作業員が多かったものの、全体像がみえないまま働き続け、悲壮感と疲労感が漂っていたという。

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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