気象庁が、短時間で集中的な豪雨をもたらす「線状降水帯」の予測を本格化させる。過去には甚大な災害につながったケースも多く、将来的には「半日前」と「直前」の2種類の情報を発信したい考えだ。
線状降水帯は2018年7月の西日本豪雨で発生したほか、20年7月に熊本・球磨川が氾濫(はんらん)した豪雨の要因にもなった。これらの災害を受け、気象庁は今年6月から線状降水帯の発生を伝える「顕著な大雨に関する情報」の発表を開始。9月までに計17回出された。
線状降水帯
次々と発生した積乱雲が線のように列をつくり、数時間にわたってほぼ同じ場所で雨が降る雨域。水蒸気を大量にふくんだ空気が狭い範囲に流れ込むことで発生する。気象庁によると、長さは50~300キロほどで、幅は20~50キロ程度。
ただ、この情報は雨量や雨域が基準を満たした段階で各都道府県を複数の地方に分けた単位に発表するもので、「予測」ではない。土砂災害や河川の氾濫などの恐れがあることは伝えられるが、防災対応を担う自治体が十分な準備をするのは難しかった。
線状降水帯は気象現象として小規模な上に、上空の水蒸気量の観測データが少ないため、これまで予測は困難だとされてきた。
気象庁は今後、水蒸気量の観…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル