生活困窮者らに対する支援活動の場でも、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、約2メートルの間隔をあける「ソーシャル・ディスタンシング」の取り組みが始まっている。
4月上旬に東京都豊島区の東池袋中央公園でNPO法人「TENOHASI」が行った炊き出しでは、約2メートルごとにチョークで書かれた「×」印に沿って、200人を超える人たちが並んだ。清野賢司事務局長は「昨年のこの時期は150人ぐらいだったので、かなり多い。新型コロナウイルスの影響で困窮者はさらに増えるので、感染拡大防止に努めながら活動を続ける」と話す。炊き出しは従来の丼ものからパックの弁当に切り替え、公園で食べないよう注意を促していた。
拡大する炊き出しでは、新型コロナウイルスの影響で休業中という焼き鳥店でつくられた弁当が配られた=2020年4月11日午後、東京都豊島区、川村直子撮影
弁当を手にした男性(45)は「日雇いで働いているけれど、コロナで仕事が減った。携帯電話は持っていないので、ネットカフェを出た後は情報にもつながれない」。トヨタ自動車の下請け工場で派遣切りに遭い、6年前に愛知県から上京した。最後に働いたのは2日前で、残りの金は約3千円という。「これ以上新型コロナウイルスが拡散して、仕事が完全になくなってしまうのが何より怖いです」(川村直子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル