政府が2022年度ごろの実用化をめざす無人自動運転移動サービスについて、警察庁が設けた有識者らの調査検討委員会は1日、安全確保のためのルールの方向性を示した報告書をまとめた。運転者の存在が前提となっている今の制度では対応できないため、無人運転の車両を走らせる事業者を審査する新しい枠組みが必要だとしている。
委員会は今後、ルールの具体的なあり方を議論する。警察庁はそれを踏まえ、道路交通法の改正も含めて検討し、制度を整えていく方針。
自動運転の技術は、システムがどこまで関与するかによって5段階に分かれている。
特定の環境でシステムが操作し、非常時などに運転者がかかわる「レベル3」については、渋滞中の高速道路でスマートフォンなどを使うことが、昨年4月施行の改正道交法で認められた。今年3月には、世界で初めて「レベル3」を実用化した乗用車「レジェンド」をホンダが発売した。
次に実用化が検討されているのは、特定の場所や環境でシステムがすべての運転操作をする「レベル4」。車内に運転者がおらず、遠隔で監視する無人自動運転移動サービスもレベル4にあたる。委員会は、廃線跡といった限られた場所で車両に客を乗せるサービスを想定して検討した。
報告書では、車から離れた監視所で複数の車両を監視し、状況の把握や連絡などを担う人を「関与者」と位置づけた。
運転の操作はシステムがするため、関与者が運転免許を持っている必要はないが、サービスの事業者などの「運行主体」が関与者に教育を施すことが重要だと指摘。運行主体が適格かどうか事前に審査して安全を確保する仕組みが必要だとし、基準など具体的な制度のあり方をこれから検討すべきだとした。
レベル4では、速度制限や信号…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル