大阪医科大学(大阪府高槻市)の元講師が在職中、再生医療に使う脂肪幹細胞を無許可で培養したとして再生医療安全性確保法違反容疑で逮捕された事件で、元講師の研究室で少なくとも5人以上から採取したとみられる脂肪幹細胞が見つかっていたことが15日、大阪府警への取材で分かった。府警は元講師が被験者を集め、動物実験の成果を人体で試そうとした疑いがあるとみて調べている。
同日に逮捕されたのは、元講師で医師の伊井正明(52)=同府茨木市=と、共同研究先だった医療関連会社の元幹部、浜園俊郎(62)=横浜市西区=の両容疑者。
逮捕容疑は共謀し、昨年3~5月、知人のクリニック元院長(82)とその知人女性(47)から脂肪幹細胞を採取し、許可を受けていない同医大内の研究室で培養したとしている。同年4月には、培養が順調だった知人女性の細胞を女性自身に点滴投与したという。
府警は同年9月に同法違反容疑で同医大などを捜索し、培養中の脂肪幹細胞や研究データが記録されたパソコンなど約600点を押収。伊井容疑者は逮捕容疑となった2人のほか、浜園容疑者自身や伊井容疑者の部下の助教(39)からも細胞を採取したとされているが、細胞のDNA型鑑定を進めたところ、ほかにも複数人の細胞が含まれていることが判明した。これらの細胞は人体に投与する目的で培養されていた可能性があり、府警は被験者の特定などを進めている。
伊井容疑者は同細胞に薬剤を取り込むことで機能を強める独自手法を開発し、マウスに投与することで難病に治療効果があったとする研究などを発表。昨年5月には浜園容疑者が移った先の製薬会社と新たに共同研究を開始し、皮膚疾患の治療薬開発にむけた臨床試験の実施を目指していた。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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