焼き畑農法が見直されている。「環境破壊の一因」と負の側面が強調されることもあるが、小規模であればむしろ自然の理にかなっていると再評価されてきた。担い手はいなくなっているが、専門家の研究でも知られる熊本県五木村では、焼き畑をブランドとして地域興しと山林保全につなげようと、復活をめざす人がいる。
8月初め。小石がゴロゴロ転がる急な林道を、じわじわと軽四貨物車で登る。約30分で、夏の青空の下に九州山地の緑を一望する山の中腹にたどり着いた。
急斜面の8アールの土地には、所々に焼け焦げた木の切り株がある。黒々とした土からはアズキの葉が顔を出し、スギの苗木が植えられている。
「まだ植えてから半月程度なのに葉の勢いが全然違うね。土のホクホクしとるもん」
五木村で林業会社を営む園田久さん(61)が声を弾ませた。昨年夏、村では約30年ぶりとなる、本格的な焼き畑を復活させた。2年目の輪作にさっそく手応えを感じている。
農薬不使用 その味に称賛の声
昨年、樹齢60年と「切りご…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル