7月の豪雨で甚大な被害を受けた熊本県人吉市は、台風10号の接近に備え、豪雨被災者らを約60キロ離れた熊本市へ広域避難させることに決め、6日朝からバスで輸送を始めた。避難所の「3密」を避けるため、被災した自宅で避難生活を続ける人たちを安全な場所に移すのがねらい。
6日午前10時半、人吉市の指定避難所「人吉スポーツパレス」の駐車場では、計33人を乗せた大型バス2台が順次出発した。避難者は7日にかけて熊本市の熊本県立劇場に身を寄せる。
妻(64)とバスに乗った人吉市下薩摩瀬町の柴田龍一さん(68)は、2階建ての自宅の1階部分が床上1・9メートル浸水し、市内の借家で避難生活を送っている。台風10号の暴風が心配で、熊本行きを決めたという。「水害で助かった命。今は避難のことだけ考えている」と話す。
市の担当者は「市内には豪雨で被害を受けて窓や壁がなくなった家などがあり、自宅にいれば二次災害の危険がある。異例の措置だが一刻も早く安全な場所に移ってほしい」と話す。(棚橋咲月)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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