2016(平成28)年4月14分日21時26分、熊本地方でマグニチュード6.5、最大震度7の地震が発生。さらに4月16日1時25分、マグニチュード7.3、最大震度7など、その後も地震が頻発し大きな被害をもたらしました。
戦国時代に城造りの名手といわれた加藤清正が築城し、日本三大名城の一つとして知られる美しい石垣群や天守閣などの国宝を含む建造物がことごとく損壊しました。なかでも「奇跡の一本石垣」として「飯田丸五階櫓(いいだまるごかいやぐら)」の復旧が大きなニュースになりました。熊本市民のみならず全国の人びとの注目を集めている名城の復旧は、いまどうなっているのでしょうか? 熊本城総合事務所の濱田清美副所長に伺いました。
Q.熊本城の復旧はいまどの段階にありますか?
「熊本城全体の復旧手順や、復旧にかかる具体的な施策や取組みを示した『熊本城復旧基本計画』(2018年3月策定)では、2018年度から2022年度までの5年間を短期、計画期間の終期までの20年間を中期と位置付けています。現在は初期の段階で、計画は概ね予定通り進んでいます」
Q.この1年の復旧に関するトピックスは何でしょうか?
「大天守外観が復旧し、昨年10月5日から特別公開第1弾を始めることができたことが、1番のトピックスとして挙げられると思います。
限られたルートでの工事の無い日曜・祝日のみの公開とはなりましたが、熊本地震から3年半を経て、熊本城は賑わいが戻り、間近で観る天守閣の姿に涙し、笑顔を見せるたくさんの方々の姿がありました。市民・県民に復旧が進んでいることを実感していただける大きな出来事だったと考えています」
Q.石垣の被害状況について教えてください
「熊本城の石垣は、築城者の加藤清正による“武者返し”と呼ばれる、上に向かうにつれ反り返るような独特の勾配を有する石垣が多くあります。加藤清正による築城当初の石垣をはじめ、その子忠広やその後の城主となる細川家が江戸時代を通して増築・補修した石垣が見事に重層的な景観をなしているのが特長です。
平成28年熊本地震では、築城当初の石垣にはあまり被害はなく、江戸時代以降の修復部に大きな被害がありました」
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース