震度7を2度記録した熊本地震から5年。寸断された橋や道路はほぼ復旧し、無残に崩れ落ちた住宅街も日常を取り戻したように見える。だが、被災した人たちの心はどうだろう。アンケート結果からは、復興がなお途上にあることが浮かびあがる。
熊本地震から5年を前に、朝日新聞は2月から3月、被災経験のある人たちにアンケートをした。回答からは、生活再建や復興を実感する人が少なくない一方、今なお様々な課題を抱える姿がうかがえる。
地震直後の2016年4月以降、被災から1カ月、1年、3年などの節目に合わせて計7回のアンケートをしてきた。今回はこれまで協力してくれた124人に取材を試み、74人から回答を得た。回答者は20~80代。
74人中49人は地震で自宅が全壊・大規模半壊した。再建した家を含め自宅に住んでいる人は55人(74・3%)で、被災3年にあたる19年のアンケート当時の54%より割合が増えた。
地震前の暮らしをどの程度取り戻せたかを尋ねたところ、74人のうち「100%」が最も多い22人(29・7%)で、「90%」の11人(14・9%)、「80%」の10人(13・5%)が続いた。「100%より多い」と答えた人を含め、「80%」以上と答えた人は計48人(64・9%)に上り、暮らしの再建がある程度進んだことが示された。ただ、「50%」以下と答えた人も12人(16・2%)いた。
自身にとっての「復興」とは何か。「家が建ち、家族が集まれる場所ができたら」「再建した家に戻ること」「仮設(住宅)がなくなれば」――。自由回答では、落ち着ける住まいを求める切実な声が目立つ。
現在、問題や不安を抱えてい…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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