約2・5メートル四方のジオラマの中に、そびえ立つ大小の天守や櫓(やぐら)、廊下、門など、70以上の建物がひしめきあう。瓦屋根は複雑につながり、まるで「迷宮」のようだ。
明治初期の熊本城本丸の姿を150分の1のスケールでよみがえらせたこの模型は、福岡県柳川市の模型作家・島充さん(38)が約1年半をかけて完成させた。壮大でありながら、一つ一つの瓦屋根や戸板まで再現された「超精密模型」だ。「城の往時の姿を未来に伝える大きな功績を残した」と、7月には大西一史(かずふみ)・熊本市長から感謝状も送られた。
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柳川市にある浄土真宗の寺の生まれ。父に連れられて京都の寺社などを訪ねるうちに古建築に興味を持ち、少年時代はプラモデルやペーパークラフト、木製模型作りに熱中した。大学卒業後は東京で仕事をしていたが、実家を継ぐため帰郷。寺の仕事のかたわら、しばらく休んでいた模型作りを再開した。
そんなある日、ネットオークションでお城のプラモデルの完成品が売られているのを見て「自分の作品も売れるかも」と出品すると、思わぬ高値が付いた。既製品を組み立てるだけでなく、独自に考証して石垣を拡張したり、建物を自作して付け加えたりしているうちに、模型作家として名前が知られるように。2015年には「城郭模型製作工房」を立ち上げて、城や寺院の模型の受注製作を手がけるようになった。
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だが、熊本城については「城郭…
2種類
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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