2016年4月の熊本地震で被災した国指定重要文化財、熊本城「長塀(ながべい)」(242メートル)の修繕が終わり29日、報道陣に公開された。地震で一部倒壊したため、解体して19年2月から復旧工事を進めていた。熊本城にある重文で復旧が完了したのは初めて。
城南側の坪井川に面した高さ2・4メートルの木造塀。管理する熊本市の熊本城総合事務所によると、15年の台風15号で西側約80メートルが傾き、熊本地震では東側約80メートルが倒壊した。
長塀は坪井川対岸の城外から眺めることができるが、この日は普段立ち入れない城側からの姿が公開された。国内最長級とされる塀が石柱「控石柱(ひかえいしばしら)」に支えられて立つ。石柱は68本のうち約40本が折れたが、ボルトでつなぐなどして直した。金属製の補強材も石柱と塀の間に入れ、強度が増した。
屋根瓦には細川家の家紋「九曜紋」が刻まれている。約7割の木材や屋根瓦は元のものを再利用した。解体作業を含む復旧工事費は約2億9400万円。(渡辺七海)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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