滝沢貴大
ゼネコン大手の熊谷組(東京都)は2日、北海道新幹線のトンネル工事をめぐり、同社など4社でつくる共同企業体(JV)がコンクリートの品質試験で発注者側に虚偽の報告をしていたと発表した。試験の回数が足りず、強度が基準を満たしていない可能性があり、調査を進めている。
熊谷組によると、虚偽報告があったのは、2030年度の札幌延伸をめざす北海道新幹線の羊蹄トンネル有島工区(約4・2キロ)の工事。昨年10月から今年4月にかけて、生コンクリートをトンネル内に流し込む前にする水分量の調査を定められた頻度でせず、固まる前に1区画ごとに3カ所ですべき測定試験も1カ所でしかしていなかった。いずれも、所定の通り実施したと報告していたという。
工事を発注する鉄道・運輸機構の担当者が4月20日に工事現場に立ち会った際、発覚した。熊谷組の担当者は「試験を担当する試験員の数が手薄だった。事態の重大さを痛感し、再発防止策を講じるとともにコンプライアンス教育を徹底する」と話した。工程への影響は未定といい、今後、コンクリートの品質を再調査し、問題があれば工事をやり直す予定という。(滝沢貴大)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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