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無期懲役が確定することになった熊谷6人連続殺人事件から5年。妻の美和子さん、小学生だった長女の美咲さん、次女の春花さんの命を奪われた遺族の加藤さん(47)が9月15日、都内で記者会見しました。 妻、長女、次女を亡くした、加藤さん:「9月16日という日が近くになるにつれて、当時の記憶とかがよみがえってくる。家族を見てなくて5年経ったんだなって」
2015年9月、埼玉県熊谷市で住宅3軒に侵入し、残虐な手口で6人を殺害、強盗殺人などの罪に問われたペルー人のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン被告。一審の裁判員裁判は死刑判決を言い渡しましたが、去年、二審の東京高裁は心神耗弱状態だったとし、無期懲役を言い渡しました。長女の美咲さんが被告から性的被害を受けていたことについて、二審の判決は言及していません。しかし検察は、上告を見送りました。これを受け、「BS朝日 日曜スクープ」(日曜午後6時54分~)では去年12月、遺族の加藤さんに出演して頂きました。
妻、長女、次女を亡くした、加藤さん(2019年12月):「被告人にも心を殺され、さらに今回、司法にも心を殺されました。(被告を)死刑にすることしか父親として、家族3人のために、それしかできなかったので、本当に今回は悔しいです」
そして今月9日、最高裁が被告側の上告を棄却したことで、無期懲役の判決が確定することになりました。事件から5年。遺族の加藤さんは記者会見を行い、司法に対する不信感をあらわにしました。
妻、長女、次女を亡くした、加藤さん:「怒りのぶつけようとか、悲しみをどこにぶつけていいのかまだ分からない状態でいます。もし仮に私の立場になって、こういう判決を受けた時に『はい、分かりました』という人が果たしているのか。裁判長ですら、私の立場になったら『そうなんですね』と、納得できるのか」
同席した加藤さんの代理人・高橋正人弁護士は、改めて上告を見送った検察を批判。
加藤さんの代理人・高橋正人弁護士:「(問題は)検察が上告しなかったこと。これが一番非難されるべき。今回、無期懲役で棄却されてしまった。被害者は、誰にすがればいいのか」
こう語ったうえで、控訴審の裁判員裁判制度導入や被害者に上告権を与えてほしいと主張しました。
妻、長女、次女を亡くした、加藤さん:「頭が良いとか司法を理解しているとかじゃなくて、人間の原点に戻った人が裁判を務めてもらいたい。被害者は一生、背負って苦しみに耐えながら、私も多分、死ぬまで生きていくのかなって思うんですよね」
加藤さんは、今後について次のように語りました。
妻、長女、次女を亡くした、加藤さん:「(判決が)確定したにしても、諦めたくない。前例がないとか抜きにして今回の裁判は、あまりにもひきょうだと思うんですよね。改めて裁判長に質問したいくらいです。大事な部分、一切説明がなかったので。今からでもいいんで説明して下さいと問い掛けたい」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース