フグの本場・山口県下関市で20日、協同組合下関ふく連盟が、宮家に毎年献上しているフグの調理の様子が公開された。実際に献上するものと同様に、日本海で取れた最高級の天然トラフグを調理。刺し身を薄く引いて、大輪の菊の花のように盛りつける「菊盛り」を完成させた。
連盟に所属する業者が持ち回りで担当。33回目の今年は水産加工会社「畑(はた)水産」が受け持つ。秋篠宮家や常陸宮家など五つの宮家に向けて、鍋用の切り身や皮刺しなどを含む6セットを用意する。例年は上京して献上するが、コロナ禍で断念。22日未明から調理し、市内の赤間神宮でおはらいを受けた後、陸路で送る。
畑水産が担当するのは3回目。畑栄次社長(44)は「非常に光栄なこと。身が太く、締まって最高のフグ」と自信たっぷり。調理した加工部工場長の竹林裕和さん(55)にとっても3回目の体験。フグの調理に携わって35年という竹林さんは、食べる前に眺めてもらえるような盛り付けを心がけているという。「何回やっても緊張する。宮家の方々においしく召し上がっていただければうれしい」と話した。(貞松慎二郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル