植松敬 玉木祥子
26人が犠牲となった静岡県熱海市の大規模土石流は3日、発生から3カ月を迎えた。今も行方がわからない住民の太田和子さん(80)の捜索が続く中、遺族や被災者約30人が、犠牲者をしのんだ。
土石流発生を知らせる最初の消防通報があった午前10時28分、遺族らは被災地に向けて静かに手を合わせた。黙禱(もくとう)する人、花束を手に涙を流す人もいた。
遺族や被災者でつくる「被害者の会」会長で、母親を亡くした瀬下雄史さん(53)は「私自身は母が見つかるまでが一番苦しかった。ご家族のためにも太田さんが一刻も早く見つかることを願ってやみません」と話した。(植松敬)
伊豆山港、土砂撤去終わり利用再開
静岡県は1日、7月にあった熱海市伊豆山の土石流で、逢初(あいぞめ)川から土砂が流れ込んで使えなくなっていた伊豆山港の利用を再開したと発表した。県港湾整備課によると、海中を含め港に堆積(たいせき)した土砂約2730立方メートルを撤去したという。
同課によると、8月4日から重機で土砂のかき出し作業を始めていた。9月30日夕方に地元の漁業関係者に港の供用再開を知らせたという。
発災後、地元の漁師らは約3キロ南の熱海港から船を出している。地元の漁師によると、伊豆山港内はまだ濁りがあるといい、「海中に潜って状況を確認したい。漁ができるようになるのはもっと先になると思う」と話した。(玉木祥子)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル