燃えかすに多数の苦情、花火大会を中止に 中断期間中に新築住宅増え

吉田博行

 徳島県鳴門市は、今年夏の「鳴門市納涼花火大会」を中止すると発表した。市によると、コロナ禍を経て昨年、4年ぶりに花火大会を復活させたが、中断期間中に会場周辺に新しく住宅が増え、落ちてくる花火の燃えかすに多数の苦情が寄せられたためという。市は代替会場を探し、来夏の開催をめざす。

 鳴門市の花火大会はコロナ禍前の2019年まで、市内を流れる撫養川沿いの親水公園で打ち上げられ、夏の風物詩として長年親しまれてきた。

 一方で、会場周辺の住宅や道路、車などに花火の燃えかすが飛散するため、以前から実行委員会のスタッフやボランティアが花火の翌朝に清掃活動を続けてきたという。

 コロナ禍で花火大会が中止された20~22年に、会場周辺で新築住宅が増加。昨年8月に花火大会が開かれると、地域住民から「屋根の上のソーラーパネルに燃えかすが落ちたのでは」「車にしみがついた」といった苦情が相次いだという。

 主催する鳴門市と鳴門商工会議所、市うずしお観光協会は対応策を検討してきたが、改善策は見つからず、今月1日の実行委員会の会合で中止を決定。来夏に向けて、地域住民に迷惑のかからない新たな会場を探すことにした。

 市観光振興課によると、昨夏の大会では約7千発の花火を打ち上げ、約5万5千人が眺めを楽しんだという。

 担当者は「花火大会を将来にわたり続けていくため、燃えかすによる被害がなく、交通や警備などの開催条件に合う新たな場所を時間をかけて検討する」としている。

 1日の実行委では、昨夏、4年ぶりにJR鳴門駅周辺で開いた鳴門市阿波おどりを、8月9~11日の3日間の日程で今年も開催することが決まった。(吉田博行)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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