玉木祥子
開発中の小型ロケット「イプシロンS」のモーターの燃焼試験中に起きた爆発について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は17日、これまでに明らかになった試験時の状況を発表した。
JAXAによると、秋田県能代市の能代ロケット実験場で14日午前9時から、ロケット2段目のモーターの燃焼試験を始めた。
これまでのデータの分析から、モーターに点火して約20秒後、燃焼時にモーターケースにかかる圧力が予測より高くなったという。 爆発が起きた約57秒後には、その圧力は大気圧の約75倍にあたる約7・5メガパスカルだった。
ただ、モーターケースに推進薬を入れて燃焼させたときの最大圧力は8・0メガパスカルの想定で、モーターケース自体は10・0メガパスカルまで耐えられる設計という。
JAXAは、現時点では圧力の上昇が原因とは言えないと説明。「爆発までノズル駆動は正常だった」といい、爆発の原因の調査を進めている。
爆発によって、燃焼試験をしていた試験棟は全焼した。JAXAによるとモーターの大部分は試験棟の外に飛び散った。一部は回収したものの、実験場が近接している日本海にも落ちたという。(玉木祥子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル