木村司、寺本大蔵
沖縄県うるま市の女性が、元米兵で当時米軍属だった男に殺害された事件から28日で5年。女性の遺体が見つかった現場には1日限りの献花台が設けられ、訪れた人が手を合わせていた。女性の父親は知人に対し、自分はいま娘の冥福を祈るために生きている、と心境を語っているという。
遺体が遺棄されたのは沖縄本島北部、米軍基地が広がる山中の県道脇。近くに住む元金武町長の吉田勝広さん(76)が遺族の了解を得て献花台を置き、ユリの花やコーヒーを供えた。
沖縄では今年に入っても米兵による強制わいせつ事件が発生。父親と親交のある吉田さんによると、父親は、米軍関係者の事件が繰り返されていることに心を痛めているという。吉田さんは「忘れないんだという思いです。二度と繰り返させない、とも言いたいが、沖縄では頻繁に起きている。繰り返させないために何をするのか、決意しないといけない」と話した。
4月28日は講和条約発効で日本が独立を果たしてから69年にもあたる。沖縄では、日本から切り離された「屈辱の日」とも呼ばれ、この日にあわせて那覇市内では、米軍関係者による事件事故が絶えないことなどに抗議する集会があった。
約50人が参加。主催した労働組合などでつくる「沖縄平和運動センター」の山城博治議長(68)は「来年はいよいよ本土復帰50年。4・28は来し方を振り返り、これからの生き方を考える日」とあいさつ。「残念ながら本土復帰の結果、(在日米軍基地が集中するため)平和で安心して暮らせる社会とはほど遠い」と語った。(木村司、寺本大蔵)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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