新屋絵理
東京都町田市で2017年、生後1カ月の長女を揺さぶり頭にけがを負わせて死なせたとして、傷害致死罪に問われた父親(44)について東京高裁(藤井敏明裁判長)は28日、無罪とした東京地裁立川支部判決を支持し、検察側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
長女には「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」に特徴的な急性硬膜下血腫、脳浮腫、眼底出血の3症状があった。しかし、高裁判決は「3症状が他の原因で生じる可能性を排除できない限り、揺さぶりがあったと直ちに推認できない」と指摘。3症状の併存を揺さぶりの根拠にする検察側の主張は「飛躍があり、採用できない」と退けた。近年は揺さぶり以外の原因でも3症状が起きる可能性が指摘され、同様の事件で無罪判決が相次いでいる。
父親は17年1月、町田市の自宅で妻の入浴中にベビーベッドにいた長女を揺さぶって傷害を負わせ、同年3月に死なせたとして起訴された。高裁判決後、父親は取材に「無罪を信じてやってきた。これで娘に報告できます」と話した。
東京高検の久木元伸・次席検事は「判決内容を十分に精査し、適切に対処したい」とコメントした。(新屋絵理)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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